AKミラクル取扱説明書
AKミラクル取扱説明書
こんにちは、お久しぶりです。

長いこと何も書かない間にレガシー環境には様々な変化が起こりましたね。特に衝撃的だったのは、間違いなく「死儀礼のシャーマン」および「ギタクシア派の調査」の禁止でしょう。

環境を支え続けた2枚のカードの禁止を受けて、少し前から「蓄積した知識(以下、AK)」が入った奇跡コントロール(以下、AK入りのものをAKミラクル、入っていないものをミラクルとする)がチラホラと姿をみせるようになりました。

Twitterなどで検索をすると、強かった、使いにくそう、などといった意見は目に留まるものの、AKミラクルとはどういったものなのか、どのような強みを持っているのかを書いている記事などはほとんど見つかりませんでした。
ですので、エターナルウィークエンド用にAKミラクルを調整した際に分かったことなどを簡単にまとめてみました。

あくまで私見ですので、一般論と異なる部分もあるかとは思いますが、ご参考程度に留めていただければ幸いです。


1.AKミラクルとは
名前の通り、AKを採用したミラクルです。(レシピは添付のとおり)
序盤の安定性は劣るものの、後半に爆発的なアドバンテージを得られるため、通常のミラクルと比較して、コントロールやミッドレンジデッキに対して強い構成となっています。
また、AKが入った代わりに先触れや予報が抜けていることが多く、キャントリップが減っている構成上、特定のカードを探すという細かい動きを苦手としています。

1-1.AKを採用することによる強みと弱み
まず、ミラクルにAKを採用することで得られる強みと弱みを書いていきたいと思います。

【強み】
・消耗戦に強くなる
AKはカードの性質上、ゲームが長引くほど(唱える回数が増えるほど)その強さを増します。先触れや予報はトップ勝負に弱いという欠点を抱えていましたが、AKはトップしてからの脳死キャストが可能なため、この部分を大きく改善してくれました。特にコントロールミラーではその力をいかんなく発揮し、多くの勝利をもたらしてくれました。

・ハンデスに強くなる
消耗戦に強くなる、とも重複しますが、AKを採用することで、ハンデスに、より正確に言うと、トーラックへの讃歌(以下、Hymn)に対して、ある程度の耐性を持たせてくれます。AK4枚、瞬唱3枚以上とデッキの中にあるアドバンテージ源が豊富なため、序盤にHymnでアドバンテージ差をつけられたとしても、中盤以降にまくり返すことが可能になるからです。
ただし、これに関してはある程度強くなるというレベルで、一枚で完全に優位を得られるというわけではないのでご注意ください。

・僧院の導師(以下、メンター)をより活かすことができる
メンターは手札のスペルの数に比例して強くなります。AKはゲームの中盤以降に “弾”となるカードを大量に供給してくれるため、フィニッシャーとしてメンター強く運用することができます。
また、AKは仕込みが必要でないインスタントスペルであるため、唱えるタイミングを選びません。ですので、罰する火などの火力除去をパンプアップで弾いたり、戦闘時、モンクトークンを援護するコンバットトリックとしても使いやすい等といった利点もあります。

弱み:
・序盤の動きが鈍くなる
AKミラクルは1マナのキャントリップが減っているという構成上、序盤に土地を探すことが、少し難しくなっています。
周知のとおり、コントロールデッキは土地が伸びれば伸びるほど強くなりますが、言い換えると、序盤の土地詰まりは他のデッキ以上に致命的となります。
つまり、序盤の土地を探せない(キープ基準にならない)ドローソースであるということが、ミラクルにとっては致命的な弱点の一つとなるわけです。

・特定の役割のカード(土地、カウンター、終末)を探しに行くことが難しくなる
2つめの弱みはAKが特定のカードを探すことには向いていないという点です。
ミラクルはカード一枚一枚の役割がはっきりしているため、特定の場面(マッチアップ)で強いが、それ以外では全く強くないというカードが複数枚デッキに入っています。
(ex.終末、ゲーム後半のソフトカウンター、議会の採決など)
デッキの中に複数枚存在する不要牌を避けつつ、欲しいカードにアクセスできるという点では先触れや予報のほうがデッキにマッチしていると言えるでしょう。

・スロットを圧迫する
最後の弱みはスロットを圧迫するということです。
AKは1ゲーム中に複数枚引いてこそ真価を発揮するカードであるため、
1枚サイドアウトする毎に、一番のうま味から順々に捨てていくことなります。
つまり、AKを採用するのではれば、4枚採用で、かつサイドアウトは”基本的に”しないという前提でサイドボーディングを進めなければなりません。
そうすると、必然的にサイドアウトは他の選択肢から選ばないといけなくなるため、サイドボーディングの難易度が少し上がります。

2.デッキ相性について
私は個人的に他のデッキとの相性は以下のとおりであると考えています。

グリクシスコントロール 有利
通常のミラクルに比べて、アドバンテージ獲得手段が多く、ロングゲームになりやすいため、有利です。

グリクシスデルバー 不利
苦花、ラスアナ、デルバー、ネメシスと攻め手が散っており、
特定の対策カードを探しに行くことが難しいAKミラクルは、不利と言えます。

オムニテル(SnT) 五分
メインは不要牌が多いため、不利ですが、サイド後は不要牌が少なくなるため、相性が改善されます。
ただし、最速ショーテルおよび母聖樹が絡んだゲームは負けることが多いので、注意してください。

ミラクル 有利
ミラーはアドバンテージを獲得できる手段とインスタントのアクションが多ければ多いほど有利となるため、両方の条件を満たすAKミラクルのほうが有利と言えます。

ANT 不利
AKミラクルは特定の有効牌(打ち消しや相殺)を探すのが苦手な上、そもそもの相性の問題もあり、不利です。プレイ環境にANTが多い場合は神聖の力戦など専用カードをサイドボードにとることをオススメします。

チャリス系デッキ 有利
チャリスを使用するデッキはその構造上、軽量除去が少なく、メンターが活きるマッチアップになります。強みの部分でも述べたとおり、AKミラクルはメンターを活かしやすいので、このマッチアップは比較的有利であると言えるでしょう。

3.今の環境ではどちらのミラクルのほうがいいのか。
私は現環境では、AKを採用していないミラクルのほうがマッチしていると考えています。

その一番の理由は新型のグリクシスデルバー(以下、グリデル)の完成にあります。
8月18日に開催されたエターナルウィークエンドで斉田選手が完成度の高いグリクシスデルバーを持ち込み、準優勝しました。
斉田選手が使用したグリデルはネメシス、ラスアナ、苦花などミラクルにとって対処の難しいカードが複数種採用されており、非常に苦手な類の相手です。
エターナルウィークエンド入賞以降、同じようにメイン苦花2、サイドにラスアナという構成のグリデルが増えてきたため、ミラクルにとっては向かい風となりました。

少なくとも、この構成のグリクシスデルバーが流行っている間は、アドバンテージ差で勝ちを目指すAKミラクルよりも先触れ/portentでサイドカードにアクセスしやすい通常のミラクルを使用する方が良いでしょう。

しかし今後、グリコン、ミラクルなどのコントロールや、エルドラージや赤単プリズンのようなチャリス系デッキが増えるようであれば、AKミラクルにも活躍のチャンスが回ってくるかもしれません。

以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。
念押しになりますが、この記事は私の主観であり、カードの評価やデッキ相性の感じ方は
構築、プレイ環境、ユーザーの性格等によって大きく変わります。

もし、この文章の中に自分の考えと異なった部分があったとしても、こういった考え方もあるんだなー、と思う程度に留めておいていただけますと幸いです。

最後に、どくいろ、ヘッポコさん、ともろーさん 色々意見をくれてありがとうございました。

おわり


おまけ
サイドボードの候補として、試したカードたち
秘密で。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索